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飼育

がらんとした部屋に響く、鍵の音。
ドアを開けたと同時にする、空間の奥で動く気配。

広いとは言えない1K。
最低限にしかかけられていない空調が、部屋を僅かに肌寒い程度に維持している。
部屋には一つの椅子と、2畳ほどのサイズの薄いマット。その上には、猫用トイレと給水器、そして空の餌皿。
窓はカーテンに覆われ、時計もない。外界から遮断された部屋。
そこには、首輪だけを着けた男が1人。

部屋の主の帰還に、男は嬉しげに、どこか縋るようににじり寄る。
昨日ここを訪れてから今までの間中、防音機能完備で外界の音からも遠ざけられ、陽の光さえ知らずに、ただ主を待ち続けることしか出来ない。
最後に来てからどれだけ経つのか、次はいつ来るのか、……もしかすると、もう来ないのではないか。
時間感覚の失われた部屋で、ほんの僅かな時間すら長く長く感じ、なお煽られる不安。
そんな不安や苦痛から解放される唯一の瞬間。男にとって何よりも甘美な時。

餌皿に盛る、前日の自らの食事の残り。
それに感謝の口上を述べつつ、ありつく男を眺める。
この男の生き死に、何もかもが手の内にある。
それをなお実感し、えも言われぬ笑みを浮かべる。


食事を終え、見つめてくる主を見上げ、見つめ返す男。
いい子で待っていた事を褒められ立ち上がるものが、男の、人としての崩壊を物語っていた。
更に笑みを深める主。主従の夜は、歪に更ける。



文章のリハビリ。
環境が大きく変わり、内容も変化してゆく。
合う合わないが更に大きくなるかと思われますが…楽しんで頂けると幸いです。
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プロフィール

くー

Author:くー
こじらせM男の方々と会話していて浮かんだものや、
一時の衝動をまとめた物置。
短編と言うよりは概要に近いものばかり。
会話相手がマゾさんばかりなので、そういった内容に偏っています。

楽しく読んで頂けると幸いです。

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