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見世物

思いもよらず、同期の弱みを握ってしまった。

まさかあんな場所であんなこと……。


問いただすと、何でもするから黙っていて欲しい、と言う。
何でもするのなら……それなら……。



そして、今に至る。
目線の先、20mほど。信号の向こう、少し広場になっている場所。そこに、彼がうつむき気味に立っている。

顔をあげたくてもあげられないのだろう。
今、彼の陰茎には、ローターが付いていて。
電源ボタンは押せないように壊されてしまっていて。
弱の刺激を、決して逝くことの出来ない刺激を、延々と浴び続けるしかないのだから。


……まぁ、彼は変態だから。
この状況に興奮していてもおかしくないだろうし、そうなると、弱でも射精してしまいかねないけれど。

ズボンはグレーのサラッとした生地。
間違ってでも射精してしまえば、すぐにでも変色してバレてしまうだろう色。
あの下に、下着はつけていない。下手すれば、興奮するだけでシミになりかねない。


……視界の端で、女子高生がヒソヒソと話し合っているのが見える。ここからはわからないが、もしかすると既に多少シミになっているのだろうか。
今時のご時世、写メでも撮られてTwitterにでも載せられかねない。人生が終わるかもしれないな……と人事に考える。



あれから1時間ほど過ぎた。人だかりになってしまっていて、彼が全く見えない。
横断歩道を渡り、人だかりに混ざると……あの女子高生達と彼が輪の中にいた。

「ねーねー、あんたさぁ、ボッキしてない?w」
「うわー、マジだww 変態じゃんww」

そんなことは無い、気のせいだ、と焦ったように弁解している……が、明らかに膨らんだ前がその弁解を白々しいものに変えている。

「変態じゃないの?w じゃぁさ〜…さっきから聞こえてるこのブーンって音、なに?w あんたから聞こえてるんだけど?w」
「ホントだww ね、どこからしてる?この音w」

どうやらローターの音にまで気付かれているらしい。言葉につまる彼をよそに、目ざとくポケットから伸びるピンクのコードを指さした。

「あーww これ、オトナのオモチャとかって言うやつじゃない?w うっわ、マジの変態じゃん。はじめて見たww」
「うわー、こんなのやってこんな人の多いとこにいるとかヤバいww ちょっと見せてーw」

ポケットに入ったリモコンを、コードを引っ張って引きずり出す。引っ張った衝撃が伝わったのか何なのか、一瞬顔が歪む。痛みか……快楽か。

「ねー、これ、なに?w」

無慈悲に尋ねられる。人に囲まれた、孤立無援のまま。

何も言えずにいる彼に、更に追い討ちがかけられる。
「オトナのオモチャ、でしょー?w」

ちがう……と、蚊の鳴くような声でかすかに否定する彼に対し、女子高生達の攻め手は緩まない。

「ちがうの?w ならさ、このブーンって音、なに?w」

明らかに動揺するのを余所に、人だかりはクスクスという笑い声と、めいめいの電子音がまばらに発する。
人だかりを代表するように、意地の悪い顔で女子高生は詰め寄った。

「ねぇ、答えられないの?w オトナのオモチャなんでしょ?w」

ちがう、携帯のバイブ音だろう、と、しどろもどろに弁明する。……その姿に、余裕は見られない。

「ならさ……このつまみ、最大にしてもヘーキだよね?w」

かわるがわる責める女子高生。
退路は、どこにもない。

「はい、じゃー…最大にしてみまーすww」
「待って待って、動画撮るからww」

動画を回され、無慈悲につまみは、最大にされる。

苦悶とも、喘ぎともつかない呻きをあげ、大きく身体を震わす。足は、身体を支えるのに精一杯。もはや、事実は明白だった。

「あれー?変な声出さなかった?今w」
「だいじょーぶ?w息あらいよーw」

ギャラリーの視線。止まらない強過ぎる刺激。
限界が近いのは、見ているだけでわかるほど。

「んー、もう無理っぽい?w」
「かわいそーだからさ、10秒我慢出来たら許してあげようよw」

震えながら、悶えながら、荒く息を吐きながら、ただ耐える彼。僅かな可能性に賭ける気だろうか。

「はーい、じゃぁ数えるよーw」
「いーち、にー、さーん……」

ゆっくり、ゆっくり進められるカウント。
あまりに長い10秒に、彼はただ耐え続ける。

「しー、ごー、」
「ろーく……あれー?何だっけ、次w」

意地悪く止まるカウント。
縋るように見つめる彼が、何かを言おうとする前に、

「あぁ、3だよ多分w」
「あー、そっかぁw さーん、しー、ごー…」

戻されたカウントに、顔色に苦悶の色が増す。
もう、限界か。

「ろーく、しーち、はーち……」
「あははwつらそーw 頑張れ頑張れ!w」

9、と同時に、震えが増す。
足はもう、まともに身体を支えられずに、ガクガクと揺れて。
観衆も、女子高生も、期待していた瞬間。
変態が、言い訳の出来ない痴態を今にも晒そうとした瞬間。

振動音が切れた。

「10……おおー、頑張ったねぇww」
「なんか音止まったねー。おもしろくないなー」

どうやら電池が切れたようだ。あれだけ使い倒せば当然か。

飽きた人々が、散っていく。見世物は終わりだった。

「おつかれーw じゃ、あたしらもいこーw」
「もう予定大狂いwww」


誰もいなくなった広場。遠くに聞こえるサイレン。
誰かが通報したのかもしれない。
散々見世物にされた上、射精し損ねた彼は、糸の切れたマリオネットのように、広場に座り込んでいた。





とある変態さんに捧ぐ。
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プロフィール

くー

Author:くー
こじらせM男の方々と会話していて浮かんだものや、
一時の衝動をまとめた物置。
短編と言うよりは概要に近いものばかり。
会話相手がマゾさんばかりなので、そういった内容に偏っています。

楽しく読んで頂けると幸いです。

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